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蜜蝋(ビーズワックス)にまつわるお話。
〜 蜜蝋FAQ 〜
(最終更新日: 2005年1月15日)


巣枠の下の無駄巣を切りとり、蜜蝋に精製します。●蜜蝋(ビーズワックス)とは。
 蜜蝋とは、簡単に言うとミツバチの巣の材料そのものです。
ミツバチは巣を作るため、腹部から蜜蝋を分泌します。厳密に言うと、この分泌したものがいわゆる蜜蝋と呼ばれるものなのですが、ミツバチはこの蜜蝋に唾液を加えて混ぜ合わせ、口と脚を使って巣を作っていきますので、通常販売されている蜜蝋はこの巣を溶かし、ミツバチの幼虫が作った繭などを取り除いたものであり、「蜜蝋+ミツバチの唾液」が人間が言うところの「蜜蝋」となります。

 蜜蝋は、ハゼノキから採れる植物性の蝋と同じように、古くから蝋燭(ロウソク)の蝋として使用されたり、木材の表面の艶出し・コーティングの材料とされたり、肌に良い成分を含んでいることから化粧品の材料として使用されてきました。最近の蝋燭は石油から作られるパラフィンという物質で作られていますが、キリスト教、仏教など、宗教関係の儀式などでの供物として、今でも蜜蝋を使った蝋燭が使われていることがあります。また近年ではシックハウス症候群の予防策として、蜜蝋から作られた蜜蝋ワックスが注目を浴びています。

 右の写真は2003年春の採蜜時の模様。
木で出来た巣枠の下にぶら下がった部分は「ムダ巣」と言い、養蜂をするうえでは不必要な部分のため、このような不必要な巣を切り落とし、養蜂家は蜜蝋を精製します。

●蜜蝋は色を変える。
蜜蝋の色 蜜蝋は、ミツバチが生成する時期によって色を変えます。これは、ミツバチ達が採取し、食する花の蜜や、花粉に影響を受けることによるものです。蜜や花粉などの餌が多い春には鮮やかな黄色、梅雨明けくらいには白っぽく、秋になると少しずつ黄土色がかっていき、晩秋には鈍い色の蜜蝋が生成されます。(右写真参照。写真は蜜蝋フレークを使用して撮影しています。)
 また、人の手を加え、巣を蜜蝋に精製した後、今度は経年変化によって、少しずつ鈍く、薄い色に変化していきます。特に直射日光下ではこの現象が促進され、この現象を利用し色抜きを行う場合もあります。



●蜜蝋の品質保持期間
 蜜蝋は品質は時間的要素で色が変化することはありますが、基本的に品質が劣化することはありません。ただ、常温で密閉しない条件下では、ハチノスツヅリガ(通称:スムシ)という蜜蝋を食べる虫がつく可能性が高いため、長期保存の際は、密閉、もしくは冷蔵での保存をおすすめいたします。


●蜜蝋って食べられる?

 蜜蝋の食用は全く問題ありません。しかしながら常温で密閉しない条件下で長期間にわたり放置すると、上記でご説明した、ハチノスツヅリガが蜜蝋を食べてしまう可能性があるため、あまり衛生的とはいえません。これも上記と同じく、長期保存の際は、密閉、冷蔵で保存して頂き、万一常温下で長期間放置された場合には、一度熱を加えてから食されることをおすすめいたします。補足として、「蜜」という字が付くので「甘いのではないか?」と勘違いされる方が多いのですが、全く甘くなく、香りは蝋そのもので無味です。絶対的においしくありませんので、お間違いのないように。


●簡単な蜜蝋ワックスの作り方
 蜜蝋のご注文をお受けする際、「蜜蝋ワックス」と間違ってご購入になる方がいらっしゃったり、「蜜蝋ワックスの作り方を教えて欲しい」とのご要望を多く頂きましたので、ここで簡単な蜜蝋ワックスの作り方をご紹介いたします。
実はこれ非常に簡単で、鍋などを使用し、蜜蝋と液体の油を一緒に加熱、混ぜ合わせることによって蜜蝋を延ばし、クリーム状にするだけで出来上がります。使用する油は食用油で十分で、さらに上質な蜜蝋ワックスがお望みであれば、古来から木造建築や木工品の磨きにも使われてきた椿油やエゴマ油を使用すると、定期的なメンテナンスを行うことで、黒光りの廊下や柱のような光沢を目指すことができます。椿油を選択する際の注意としては、香料などを混ぜた物が多く販売されており、これを加熱してしまうと香料を加熱することにより生じる問題が出てしまう可能性があるかも知れませんので、純粋な椿油を使用したほうが良いと思います。
 蜜蝋と油を加熱する際は、あまり温度を上げすぎないことがポイントです。これは油を沸騰させないためで、蜜蝋が溶ける温度(60度程度)で十分です。蜜蝋と油の分量は蜜蝋:油=5:1程度です。これ以上はどんなに油を入れてもそれ以上は混ざりません。

【POINT】
冷却の際は、少しずつ固まってくるまでじっくり混ぜあわせ、可能な限り空気を含ませるようにすると、さらに柔らかい硬さに仕上がります。ホイップする感じで混ぜながら冷却してください。
オリーブオイルなどを使用しても、まったく問題なく蜜蝋ワックスを作ることは可能です。ただ、色や匂いがある油ですので、当然、蜜蝋ワックス自体に色がついたり、匂いがついたりしますので、使用箇所に影響を与えないか、また、その匂いにご自身が耐えられるかを考慮し、使用する油を決定してください。
床などに塗りこむ際は、自動車にワックスをかける要領で、擦り込むように丁寧にふきあげてください。
蜜蝋にしても、油にしても、可燃物ですので、加熱の際の火の取り扱いには温度を上げすぎないよう、くれぐれもご注意ください。

 季の屋 kinoya.com では、100%純粋な国産椿油を販売しています。ご注文はこちらから



●簡単な蜜蝋の切り方
 蜜蝋を固まりでお買い求めの場合、「適当な大きさに切り分けるのが大変・・・」とお感じの方もいらっしゃるかと思います。そのような場合には、鉄板などを切断する際に使用する「鉄切りノコ」の刃の部分を、ガスコンロなどであぶって温めながら蜜蝋を切断していくと比較的簡単に切断できます。


 以後、随時情報を追記してまいりますので、ご期待くださいませ。

《ご注意》
 ここに記載する内容は、九州は熊本県球磨郡湯前町で養蜂業を営む木野養蜂場が、創業以来50年の歳月の中で獲得してきた経験と情報により記載しているものです。養蜂、およびはちみつに関する知識、ノウハウは、養蜂が行われる周囲の環境により変化するものですので、全国、もしくは世界中の養蜂、はちみつの情報に全てが合致するものでは御座いません。

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